2024年10月にパナマからコロンビアへボート（ランチャ）で移動した時の記録
アメリカ大陸を縦断する自転車旅行者の参考になれば幸い
パナマとコロンビア間の移動方法について
どんな移動手段があるか最初にまとめる
・ボート（ランチャ）
私が利用した方法
パナマ・Cartiーコロンビア・カプルガナ間をボートで移動して、そこからコロンビア本土へのフェリーに乗る
この間のカリブ海の島々には住人がいて、不定期でボートが運航しているのでそれに乗せてもらおうという算段
スペイン語ではボートをランチャ、船長をランチャキャピタンを呼ぶが、ここでは分かりやすくボートと書く
アメリカ大陸縦断をするサイクリストに近年、人気の移動方法らしい
・セーリングヨット
パナマ・コロンーコロンビア・カルタヘナ間を運航しているツアーヨットで移動する方法
移動が目的ではなく観光ツアーなのでお高い
道中の島々に寄り道したりもするらしい
・飛行機
パナマーコロンビア間を移動するもっとも一般的な方法
自転車をパッキングする必要、重量制限に荷物代を調べてチケットを予約するという面倒くさい作業がある
飛行機を使うならパナマーコロンビア間に縛られる必要もないので中米や南米の一部をスキップしたり、この機会に一時帰国する人もいる
時期調整的な理由もあると思う
宝石の道やアウストラル街道など、南米で自転車旅行者に人気のルートがあるが、雨季があったり特にカラコラムハイウェイは夏季にしか通れないというシーズン制限がある
ウシュアイアも南国とは言っても冬は雪が降るくらい寒い
北米へ行くのなら、アラスカやカナダに到着するのが冬の時期になるのは一般的には避ける
この辺りの旅行プランを計算して、自分の通りたいルートをサイクリングするために飛行機を利用する
・カヤックにて自力で移動
パナマーコロンビア間の海路をカヤックに乗って人力で移動する方法
最初、この方法を聞いた時、なんて無謀なと思ったが私の知る限り2人のサイクリストはこれをしている
その内の一人は私がボートで移動してたときに挑戦していた
パナマシティでカヤックを購入して、コロンビア・ネコクリで売却することが可能らしい
当然ながら難易度は高いし、自転車旅行とはまた別なスキルが必要
だが南北アメリカ大陸縦断を完全に人力で成し遂げられるというのはロマンがある
・貨物船・個人のセーリングヨットをヒッチハイク
パナマ・コロンーコロンビア・カルタヘナ間を移動する船を見つけてお願いして乗せてもらうという方法があるらしい
詳細不明だが、港へ行って直接探しだして交渉するのだと思う
成功するには高い言語能力、コミュ力、もしくはツテが必要そうで難易度は高い
・陸路でダリエンギャップをハイキング
ある意味、定番のルートでしてる人がたくさんいる
ここを合法的に通過するには、パナマとコロンビアから許可をもらわなければいけないらしく、一般人にはほぼ不可能と思われる
・定期フェリー（廃止）
昔はパナマ・コロンーコロンビア・カルタヘナ間を定期フェリーが運航していた
検索すると古い情報として今でも出てくるが2024年時点では運行中止しているので注意
移動ルートについて
ボートで移動するのに主要なチェックポイントをまとめる
Carti・パナマ
・村について
パナマのカリブ海側にある小さな村、というか集落だが島々への船の拠点になっている
・アクセスについて
パナマシティーCarti間は116kmで、道路も完全舗装されてる
幹線道路から外れた後のアップダウンがキツく、2日掛けて走行してる人が多いようだ
私はゆっくりサイクリングして3日掛けた
道中のチェックポイントで先住民自治区に入るのに20米ドルを取られる
・ボートについて
Cartiからパナマのイミグレーションがある村、Puerto Obaldiaへ向かうボートに乗る
ボートは個人が不定期でバラバラに運航しているのでスケジュールを確実に知る方法がない
港でもちゃんと把握してる人がおらず、同じ人でも言うことがコロコロ変わっていい加減
運が悪いと何日間もボートが見つからず停滞する人もいるとのこと（最大5日間？）
早朝（午前6-9時頃）に出発するのが一般的で、港にいる人に手当り次第にPuerto Obaldiaへ行くボートがないか聞き込みをする、当然スペイン語で
Google翻訳をオフラインで使えるようダウンロードしておくと良いと思う
Puerto Obaldiaへ直接行くボートが見つかることもあれば、見つからずに道中の島々を通るボートを乗り継いでPuerto Obaldiaへ行く人もいる
その場合、Caledoniaという島を経由することが多いらしい（私もボートの給油、休憩で立ち寄った）
CaledoniaでもPuerto Obaldia行きのボートがすぐ見つかる保証はないらしく何日も滞在するパターンがあるらしい
私の場合だとCartiに夕方に到着して聞き込みをしたら、翌日に出発する船長と偶然すぐ出会えた
料金は150米ドル
そのあとトラブルもあったけど幸運だったのだろう
出港日はその数日前（計算上、パナマシティを出る頃）に決まるとも聞いた
私が乗船したボートの船長は前日に予約を受け付けて乗船リストを作っていたので本当かもしれない
自転車は基本的に雑に扱われると思った方が良い
ボートへの積み下ろし時は特に注意して見ておくべき
海水がかからないよう自転車や荷物にビニールシートをかぶせてくれると聞いていたが私の船長はしてくれなかった
ビニール袋を買って自分でパッキングする自転車旅行者もいるらしい、そちらの方が確実で安全だと思う
私はコロンビアに着いてからガソリンスタンドで水場を借りて洗車した
・食事について
ルート上で食料がほとんど手に入らないと聞いたので、私はChepoにあるスーパーXtraでNecocliまでの分を購入しておいた
ATMもNecocliまでなくクレジットカードも使えないので、お金がない場合もここで必要十分な金額を引き出しておくべき
上記したようにCartiやCaledoniaでボート探しのため何日も滞在する可能性があるので、そうするのが一般的らしい
結果的には、食料が全く手に入らないというわけではなかった
Cartiには、小さな飲食店と個人商店があった
到着した夕方頃にはほとんど閉店していてたものの、1店舗だけ小さな飲食店らしきものが夜でも電気がついてたが不明
基本的には朝昼しか営業してない様子
飲食店は朝、港湾利用者で繁盛していた
商店はちょっとしたお菓子とジュースと缶詰が申し訳程度に置いてあった
値段はちょっと割高だった気がする、場所的に仕方がない
1泊した島の方もそんな感じで、Puerto Obaldiaまで行けば品揃えがそこそこ良いミニスーパーがあった
基本的には節約にもなるので必要そうな分を買い込んでいった方が安心安全で良いと思う
ただお金さえあれば、食料が多少足りなくなっても、贅沢さえ言わなければ餓死することはないんじゃないですかね
Chepo-Carti間のアップダウンは激しいので食料が少ないと楽ができる
▲Cartiの商店1
品揃えが少なく、食料も少ないが缶詰は何種類も在庫がある
▲Cartiの商店2
スナック菓子は揃ってる
▲Cartiのレストラン1
▲Cartiのレストラン2
港湾労働者？で賑わっている
▲Cartiのレストラン3？
ここだけ日没後も営業していた、たぶん食堂？
▲待合室
夜間、ここで許可を貰って野宿した
▲地元の人でも荷物が濡れないようパッキングしてる人はいる
・船長の電話番号
私が知ってるいる船長の連絡先をここに書いておく
スペイン語のみで英語でのコミュニケーションは不可能
道中で自転車旅行者に会ったら、ダリエンギャップをどう越えたか聞いてみるのも良いと思う
ボートを利用したサイクリストの中に、船長の電話番号を知ってる人がいた
結果として、その船長とのスケジュールが合わずボートに乗らなかったけど、運良くタイミングが合えばボート探しを楽できるかもしれない
Negro船長
+507 6195-9119
私が利用したボート
サービスはあまり良くない
Deigo船長
+507 6074-6066
Tours Bannaba Anmar Nae
+507 6792-2845
カリブ海の島々について
Gardi Sugdubという島で1泊したけど食堂兼バーみたいな店があったので規模が大きめの島なら外食出来るかもしれない
小さな商店もいくつかあってジュースやビスケットみたいなお菓子を売っていた
Cartiより品揃えが良いと思う
CaledoniaにもPuerto Obaldiaへ向かう途中、休憩で立ち寄った
入り口に小さな商店があったがビスケットとジュースという本当に簡素な食べ物しか置いてなかった
▲Caledoniaの商店
ビスケットとジュースしかないように見えた
Puerto Obaldia・パナマ（国境の村）
パナマの国境管理場がありここで手続きをする
ボートは国境警備隊基地前の浜辺に到着して、隊員にイミグレーションの場所を教えられてそこへ向かうことになる
なおパナマでは法的に軍隊がないことになっているので国境警備隊、自衛隊的なあれ
このときに入念に取り調べられるサイクリストもいるらしい
麻薬密輸が多い場所で厳しい国境らしい
と聞いていたのだが、私の場合は荷物チェックされることもなく、同行してたパナマ人グループより早く出国手続きが終わった
イミグレスタッフもめちゃくちゃフレンドリーな人だった
間違いやすいと思うので書いておくと国境警備隊の基地と国境管理場は別で離れた場所にある
国境管理場は午後4時に閉まり、到着時刻によっては翌日に手続きをすることになる
ここまで来ればほぼゴール
ミニスーパーやパン屋などがあり、隔絶した土地ながら品揃えはまぁまぁ良い
ホテルも2軒あるらしいが、私は村の中央公園で許可をもらってキャンプした
警備隊らしき人が夜、公園にいたし安全なんじゃないですかね
村の北側にある船着場へ向かい、そこにいる船長と交渉してコロンビアの国境管理場があるカプルガナへ運んでもらう
40ドルで交渉したものの断られれて、向こうが提示した50ドルで了承した
人数での料金でなく、ボートを出してもらう 料金なので、後から考えると同行してる人がいれば割り勘して安くできたのだと思う
Puerto Obaldiaへのボートに信頼できそうな人がいればシェアしないか聞いてみるのが良いと思う
▲プエルト・オバルディア到着時の様子
この状態で自転車を含む、荷物の積み下ろしをしなkればならない
桟橋がとなりにあるけど、何故か使えない（国境警備隊専用？）
当然、靴が濡れる
▲ミニスーパー
品揃えはそこそこ良い
▲食堂
▲パン屋さん
Wi-Fiがあったのでお願いしたら使わせてくれた
めちゃくちゃ親切なオーナー
▲公園にて野宿
▲プエルト・オバルディアまで一緒に乗船したパナマ人たち
▲カプルガナへ移動中
船長に国境の場所を聞けば教えてくれた
Capurgana・コロンビア（国境の町）
コロンビア側の国境管理場がある町
小さな町だが海外からの観光客も来るようなリゾート地で活気がある
ミニスーパー、ホテルがいくつもあるし、お洒落なバーまで見かけた
船着場から街中にあるイミグレーションへ自分で移動して入国手続きをお願いする
イミグレスタッフは英語を話せなかったが簡単に入国スタンプを押してくれた
個人商店が両替所もしていて米ドル→コロンビアペソへの両替をしていたが交換レートは悪かった
ボリビアコインの両替は断られたのでPuerto Obaldiaで使い切るべき
ATMは町にないらしい
コロンビアだけど、観光地のため米ドルが普通に使える
無理にここで両替せず、エクアドルも米ドルを自国通貨にしてるし、または非常用として保管しておいても良いと思う
イミグレで入国スタンプを押してもらった後は船着場へ戻りコロンビア本土、ネコクリへのフェリーチケットを買う
この時、チケットを代わりにとってあげると言ってきて高い手数料をぼったくろうとする輩がいたので注意
フェリーチケットは受付カウンターがあり簡単に購入できる、ただしクレジットカード決済は不可だった
自転車代込みで34米ドル
▲カプルガナのメインストーリート
▲国境管理場
▲お洒落なバー
Necocli・コロンビア本土
ゴール地点、ここからコロンビアの自転車旅行が始まる
大きな町、ATMやスーパーなど一通りある
フェリーターミナルにはFree Wi-Fiあり
消防署もあったので一晩泊めてもらえないか お願いしたが断られた
▲ネコクリまで乗船したフェリー
▲町のスーパーにあるATM
▲自転車を雑に扱われた結果、ディレーラーガードが壊れた
移動費用について
私がボートに支払った運賃
- Carti-Puerto Obaldia 150USD
- Puerto Obaldia-Capurgana 50USD
- Capurgana-Necocli 34USD
合計234米ドル
上記はあくまで一例で料金は変動する
他の自転車旅行者の話だと、船長によって提示する金額はマチマチで中にはふっかけてくる人もいるらしい
その場合は、値下げ交渉するそうだが、概ねこれくらいが相場みたい
スペイン語と交渉が上手い人はもっと安く値切れるかもしれない
Capurgana-Necocli間は定期航路のあるフェリーを利用していて料金は固定
Carti周辺は先住民自治区でこのエリアへ外国人が入境するのに20USD掛かる
最終的な合計必要経費=254USD
これプラス、食費などが掛かる
参考資料
同じルートを通った自転車旅行者の記録（英語）
情報量が多くとても参考になりました、感謝
パナマーコロンビア間をカヤックで移動した自転車旅行者の記録
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